金粉ワークショップ

-金粉ショー入門編-

 金粉ショーは、1960年代から90年代初頭まで、当時の最大の娯楽として全国で繁盛していたキャバレーやクラブ、温泉地のホテルなどで上演されたショーの演目のひとつ。

 アングラ劇団の役者や舞踏集団の舞踏家などが稼ぐ手段として、同時に俳優修業ならぬダンサー修行として、全国津々浦々のステージに立った。状況劇場の唐十郎や李麗仙が金粉ショーで稼いで紅テントを買ったという周知の逸話もある。60年初頭、舞踏家土方巽の門下に集まっていた後世に名を馳せる歴々たる舞踏家たちが、オリエンタルダンスの雰囲気や、バリダンス、ニジンスキーなどを取り入れたダンスの様式美を駆使し、エロスとエンタテーメントを兼ね合わせた独自の金粉ショーのスタイルをつくり出していった。土方巽の「私のキャバレー」という麻薬のような言葉の前に、「ダンサーは客の前に体をさらし、観客の目ん玉を満足させ、拍手をもらい帰ってこなければならない。」をモットーに、日々ステージに立つことを日課とした。

 アバンギャルドな芸術を志していた俳優や舞踏家の卵に与えられた課せは、身体ひとつで目の前の大衆の欲望を満足させ、且つギャラをもらえる芸を磨き習得することだった。その後、キャバレーの衰退とともにダンサー修行をする場も消失し、ショーの実体験を持つダンサーは希少なご時世となる。今日では、金粉ショーが観れるのは単発のイベントや大道芸祭りなど数少ない機会となってきている。

 

 ■入門編 金粉ショーを踊ってみる

 金粉を衣裳のように身にまとい鏡の前に立てば、スーパーマンのように何でもできる異次元の存在に化身する。ダンスの持つ色気と解放感を具えた怪しさが、今でも人を惹きつける金粉ショー。今回は、3日間の入門編として基本的な振りをマスターします。ダンサー修行に興味のある方は是非、お待ちしています。

 

 ※今後The NOBEBOに新メンバーを迎え、金粉ショーを上演していく予定です。

  出演に興味がある方は、是非今回の入門編ワークショップを受講してみてください。

                   (テキスト:みずのりつこ)

 

稽古メニュー

 オリエンタル歩き 

 カフカス 

 鳥の決闘 

 など

 

講師陣:みずのりつこ

     The NOBEBO 

    本原章一 

 

20122015年と別府現代芸術フェスティバル「混浴温泉世界」で、1980年代をピークに 上演されてきた⾦粉ショーの復活を、元⽩⻁社の佐東範⼀と⽔野⽴⼦の指導の元デビューしたThe NOBEBO

今回の講師として、多数のイベントに出演し実⼒をつけてきたThe NOBEBOのメンバー⽵ち代毬也と秋⾵りりーの他に、元⽩⻁社の本原章⼀も加わる。

 

 

【日時】525日(金)18:00~21:00 (集会室)

       26日(土)14:00~17:00 (会議室7

       27日(日)14:00~17:00 (会議室5

 

 

【料金】単発 2000円 通し 5000

 

【会場】京都市左京東部いきいき市民活動センター

    〒606-8432 京都府京都市左京区鹿ケ谷高岸町32 

 

【お申込み】

ここをクリック

 

Photo: Toshie Kusamoto

 

みずのりつこ

1979年白虎社に入団するため東京から京都に移る。以降、1994年の解散まで当時の舞踏カンパニーのスタイルだった稽古場と居住が一体となった環境で、制作と舞踏手の両方に従事する。

白虎社として国内・海外のフェスティバルやイベントなど多数出演するほか、並行してショーダンスにも出演。

竹ち代毬也

92年より舞台活動を始める。「体の在り方」に興味を持ちながらダンサー、演出家、振付家として関西を中心に活動。

 

コンテンポラリーダンス、演劇、ミュージシャン、美術家など異なるジャンルのアーティストとのセッションや外部出演も多い。
別府現代芸術フェスティバル2012「混浴温泉世界」を機に結成され金粉ショーチームThe NOBEBOに参加。
「混浴温泉世界20122015」に出演の他、大人のトラウマ「サディスティックサーカス」には2013年、20142017年に出演。その他、台湾の芸術祭から披露宴会場や忘年会の宴会場など様々な場所で活動。

本原章一 

1989年、ノイバウテン主演の映画「半分人間」に影響を受け白虎社に入団。1994年の解散まで所属。

金粉ショーとしてはこの6年間にキャバレー、クラブ、ホテルの宴会場、大道芸などで多くの場数を踏む。
1997
年~2000年は静岡のSPACに所属し、フランスの振付家J.C.ガロッタのもとでコンテンポラリーダンスを学ぶ。
現在もギャラリーやライブハウスでのソロダンス、ダークメルヒェン即興無言演劇のメンバーなどで舞台活動を継続中。
今回は20数年ぶりに金粉の振付と鋳型を身体に取り戻すべく奮闘する。